うれしい逆

メンタルヘルスボランティア養成講座を受けていた時、すごく嬉しいことがありました。この講座は精神や心の病をもっている人たちの事を知り、そして、私たちが企画した行事に参加してもらったり、施設へお手伝いに行ったりするというものです。でもまずは勉強からでした。恐いとか、何をするか分からないと思われがちな人だけど、違うんだとか、10センチの物を箱に入れるということをしている時、15センチの物を渡すとわからなくなってしまうとか、教えたことは出来るけど、ちょっとでも違うと出来なくなってしまうとか、決めた事は最後までしないと次へは進めないとか・・・そんなことを教えられました。勉強の他にも施設見学という日がありました。施設では、所長さんが、今の現状とか人数とかいろいろ言っていたけど、私にはその話より仕事をしている皆が気になって、そっちばかり見てました。皆おもしろい事を言ったり、楽しそうに話したり、笑ったりしながら仕事をしていたので、なんだ勉強したことと違うやって思いました。そして帰る時、一緒に見学に来てた皆は、すみっこの細いところを通って外へ出てたけど、足の悪い私は、すみっこをスイスイとは通れないので、ちょっと広いところを通らせてもらおうと思っていたのです。その頃、丁度箱を机から机へ移動させているところでした。私はその机と机の間をどうしても通りたかったのです。でもこういう床は全部移動させてしまわないと、きっとだめなんだと思い、待っていたのです。その人は手早くぱっぱと脇目も振らず移動させていました。だけど急にやめて「通っていいよ」って言ってくれたのです。その「通っていいよ」がもう感動。私はその日、勉強したり、施設見学したりして、何かお手伝いをしたいという立場として行ったのだけど、道をあけてくれた人にとって私は「自分より弱い人」に見え、自分より私のことを考えてくれ、道をあけてくれたのだと思うのです。施設見学へ行って、逆に助けられ、なんだかこの「逆」がとってもとっても嬉しくて。

 勉強してたことと違う事があったけど、、この「違った事がいっぱい」というのもとても嬉しく、なんだか、見学に行った皆とは違うはるかにいいものを得たと自分で幸せ気分でいっぱいでした。

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