「雪絵ちゃん、生きてるだけですごい」と何人かの人に同時期に言われました。この言葉すごくきらいなのです。だって言い換えたら、私「死んでも同然」って言われたみたいなんだもん。相手の人が「私なら死んでると思うけど、生きてるなんてすごい」って言われているみたい。ひとりの人に「死んでも当然」って言われている気がするって言ったら、暗い考え方だって言われました。もう一人の人に「あー、そういうとらえ方がしたんだ」って言われました。と言うことは別のとらえ方があったのでしょうか。また別の人には「生かされている」と「生きている」は違う。雪絵は「生きている」ほうだと言いました。どっちにしても私はこの言葉が好きになれないのです。皆が思っているほど病気は大変なものでないし、皆が思っているほど楽なものでもない。どっちでもない。皆と一緒なの。同じなの。どこかで知らない誰かが泣いているとき、私、笑ってるかもしれないよ。私が生きていることなんて簡単なことなのです。

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