とてもおかしいことなのに

私は養護学校に勤めていますが、地域の学校に通っている小学生や中学生や高校生の大好きな友達がたくさんいます。みんないろいろなお話をしてくれてとても楽しいのだけれど、時々、すごく悲しい気持ちになることがあります。
 小学校5年生の女の子が言いました。「学校で先生が私の服に間違って赤ペンをつけてしまったの。『あ、ついたよ』って言ったら、先生が『洗えばとれる』って怒ったよ。ごめんなさいなんて言わないで怖い顔でにらんだよ」

 「私すぐに忘れ物をするから、今日は彫刻刀忘れないように何度も忘れてないか確かめて持っていったら、『あら、忘れると思ったのに、持ってきたの?』って先生が言ったの。悲しかった」

 高校生の男の子が言いました。「4月に玄関に担任が立っていたから、手を挙げて『おはよ』って声をかけたら、態度が悪いと怒られて、生徒が通るたびに、姿勢をぴんとするんだ。それから僕は玄関に担任がいつも立っているのを見るたびに、足が止まって中に入れなくなったんだ。服装の違反はないか、挨拶はきちんとするかを見張っているんだと思ったらもうだめなんだ」

 
 子供たちはわざとでなくてもよその人の服を汚したらまず謝ることが大切ということを知っているのです。でも大人や先生は子供たちに謝るなんと自分が傷つけられるとでも思っているのでしょうか?そして、忘れ物をしないでおこうという一所懸命な気持ちを台無しにしてしまっているということにもきっと気が付けないのです。それから挨拶だって、「ああ、会えてうれしいな」そういう気持ちでにっこり笑う挨拶がどんなに素敵なことかと言うことに気がつかないでいてしまうのです。私たち大人って、それから教員って、子供たちにとって、居るだけで、それだけでもう脅威なんだと思います。毎日通う学校はやっぱり楽しくないといけないと思うのです。それから自分の気持ちを自由に言えるところであるべきだと思うのです。
 でも そんなことを言って怒っている私も、今日学校で、調理実習中に、ほうきを持っていたゆうちゃんに、「ほこりがたつから今はだめ」と言って、ゆうちゃんをがっかりさせました。ゆうちゃんはとても悲しい顔をしていました。せっかく何か手伝おうとゆうちゃんは思ってくれていたのに。

 今日だけではないのです。毎日毎日私は子供たちの気持ちを踏みにじることばかりしているような気がします。つらいです

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