朋ちゃんの気持ち7

《私と大正琴》

母は、まだ小さかった私を街や地域で何か行事(イベント)があれば 
一緒に連れて行ってくれました。

そのおかげで、学校の授業で音楽を聴くのも友達と歌うことも
大好きになりました。
私は、学校を卒業した後 趣味で何か習ってみたいと思っていました。

大正琴との出会いは、19才の時、大正琴の演奏会でした。
初めて見る楽器「いい音色だ 私にも、できるかな?やってみたいなぁ
手軽に持ち運びが、できそうだし」そんな思いを、母に話してみると
母も「初めてだから、何もわからない」と言いながら近所の人が
ずっと前にやっていたのを思い出して、借りて来てくれました。

教本をみて、やってみたところ 少し音が出ました。
このことを、おじいちゃんに話してみたら、クリスマスプレゼント
に買ってくれました。 

大正琴の音色にひかれ、やまがた楽器で先生を紹介してもらい
習い始めました。
月に2回 土曜日、先生に家へ来てもらって個人レッスンを受けています。

大正琴は、右手でピックを持って、5本の弦を はじくのですが、私の
右手は麻痺がひどく、ピックを持っていても、すぐ滑ってしまい、思って
いたより難しく大変でした。
左手で、鍵盤をおさえて音を出します。
鍵盤を3コ、5コと、とばして音を出す時 母は、ぎこちない左手をみて
私の左手にも 少し麻痺があることに、気がついたそうです。

最初に習った曲が「さくさくら」でした。
自分で演奏できた時は、とても感激しました。
私が、習った曲は童謡から昔の曲や演歌など、いろいろで知らない
曲もありました。

頭では、わかっていても指が動かず、途中でつまづいた時、先生が
「練習すれば、指が覚えて弾けるようになるから頑張ってね」と声をかけ
優しく指導してくれます。
なんとかして、弾いてみたい気持ちと、自分の努力と先生のおかげもあり
手首の動きも、よくなりました。

作業所から帰ると、毎日 大正琴を出して練習をしていました。
今は、休憩(横になったり、のんびり)しています。
休みの日とか、時間がある時に弾いています。

教本は、(初級、中級、上級、研究科)があります。
1冊、終わると試験を受けて次に進みます。
私も、試験を受けました。
階段のある会場で大変なので、父にも協力してもらって
3人で行きました。
その時は、すごく緊張して ちょっとしたハプニングもあり
思い出がいっぱいです。

合格した時は、本当にうれしかったです。
認定書は、私の部屋に飾ってあります。 
今は、『研究科』『大正琴の花束』という教本を使って、ゆっくり
時間をかけて1曲ずつ、弾いています。

1997年、6月 手をつなぐ親の会(育成会という名前に変更したが)
の大会があり、私の住んでいる所が当番でした。
会長さんから、体験発表をしてほしいと頼まれて《私と大正琴》
という題で、体験発表をやりました。
舞台での演奏は、この時が初めてで15分という時間で、どんなふうに
まとめたらいいのか、すごく迷いましたが まず、大正琴との出会い
(きっかけ)を4分間、自分なりに話をして、先生に応援に来てもらい
一緒に『みかんの花咲く丘』『七つの子』『宵待草』の3曲を演奏
しました。 

** 体験発表をして思ったこと **

・きっかけについてのスピーチは、原稿を見ないで話をした。
・右手のピックが、ななめになり 手首の動きが、悪かった。
・緊張して、右足が震えてしまった。
・カセットテープに、様子を録音した。
・お客さんから、大きな拍手をもらい、嬉しかった。

** お客さんからの感想 **
・「4分間のスピーチ、まとまっていて よかったよ」
・「スピーチを聞いて、涙が出たよ」
・「演奏が上手だったよ」
・「心にしみた、音色がいいね」 などでした。

大好きな、おじいちゃんから頑張った、ごほうびに
1万円をもらいました。
その記念に、靴とポシェットを買いました。

1998年、11月 大正琴を習っている知人から「私達と一緒に
文化祭に参加してみない?」と誘われて、町民文化祭に参加
しました?
普段のお稽古は、個人レッスンのため、グループレッスンの
様子は、わかりませんでしたが 参加してみて大勢でレッスン
するのも楽しいなぁと思いました。

舞台での演奏は、2回目ですが 緊張感と果たして、皆さんと
合うかしら?という不安が、ありました。
この時も、わずか15分という出演で『知床旅情』『ふるさと』
『恋の季節』『青い山脈』4曲を、楽しく演奏しました。

いつか、数人の人達と舞台で、発表してみたいという私の小さな
夢が、皆さんの、仲間入りをしたことで叶えることができて
とてもうれしかったです。
この日のことは、素晴らしい体験になりました。

体験発表した時と、文化祭に参加した時も
おじいちゃんが、演奏を聴きに来てくれました。 
この日の感想文が『琴城ライフ』という大正琴の新聞に
載りました。

だんだん、級が上がっていくにつれ 習う曲も難しくなり
楽しんでやっていた、大正琴もつまらなくて何度も
「やめようかな?」と思いました。
やめることは簡単ですが、続けることは大変なこと
だと思います。

私が悩んでいた時、ちょうど 作業所の1泊2日の
楽しい旅行が、もうすぐ来るという時期でした。
みんなで楽しい旅行をして、帰って来る時、バスの中で
ガイドさんが、歌を歌ってくれました。
その歌は『忘れな草をあなたに』でした。
  
ガイドさんの歌を聴き、私の気持ちも変わり、このまま
続けようと思いました。
この曲も習って、私の好きな歌だったのです。  
この日のことは、忘れず しっかり覚えています。

大正琴を買ってくれた、おじいちゃんの家は、隣にあり
いつも、私の家に遊びに来て、私の弾く大正琴をうれしそう
に聴いていたのです。
今は、もう亡くなって 何年か経ちますが、レッスンを
受けるたびに、おじいちゃんのことを 思い出します。 

時々、大正琴を続けていて よかったと思う時が、あります。 
自分が、知らなかった曲も覚えて、歌えるようになったからです。
『歌・音楽』って素敵ですね。

私にとって、大正琴も 大切な宝物です。
これからも 友達のように仲良く、きれいな音色を弾いて
いきたいと思っています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・おわり・・・・・・・・・・
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・・・・・・《たんぽぽの仲間たち》のみなさんへ・・・・・・・
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・・・・・《私からのメッセージ》・・・・・・・・・・・・・・

 みなさん、こんにちは。
 お元気でお過ごしでしょうか。
 新しい文章を 書きたいなって、思いつつ 毎日、忙しくって
 やっと、書くことができました。
 今回の「朋ちゃんの気持ち7」は、趣味として始めた《大正琴》
 について書きました。
 かっこちゃんと知り合った 9月を記念して、このHPに載せて
 もらうことにしました。
 「朋ちゃんの気持ち」を、読んでくれているみなさん
 どうも、ありがとう。
 これからも書いていきたいと思っています。
 よろしくお願いします。

☆感想は mobi_love@an.wakwak.com まで。


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